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●ノウス '04年6月29日(火)

ボイン渓流付近一帯につけられた名称であるブルー・ナ・ボーニャ(ボインの集落)は、先史時代の古墳が点在する世界遺産地域である。ニューグレンジ・ノウス・ダウスが代表格だが、一般公開されているのはニューグレンジとノウスのみである。両方のチケットを買い、ビジターセンターにある展示物を見る。パンフレットに依ると、新石器時代の農耕民によって、5000年以上前に建築されたこれら通路古墳は、その時代の高度に発展した社会を物語っているとのこと。時間が来たので、シャトルバスに乗って、まずはノウスから訪れた。

      
ノウス古墳 代表的な蹄の絵 ノウス一風景
ブルー・ナ・ボーニャ最大であるノウス通路古墳は、紀元前3000年頃に建設され、新石器時代初期から、青銅器時代、西暦初期、ノルマン人の侵略の時代を通して、埋葬とそれを行う人間の定住がなされたことが明らかになっているとのこと。周辺にある小型の古墳がかわいらしい。まずはパネル展示を見ながら説明を受けた。時代によっては古墳の上に村を築いていたこともあったらしい。本来土台となるべき巨石には渦巻き模様や蹄をかたどった彫刻があり、これがつぶされないように今では上部をコンクリートで支えている。  
本来は巨石が土台  ノウス頂上からの景色 通路の一部
内部には一部屋のみの博物館があり、そこでも説明を受ける。内部は2つの通路がそれぞれ固有の2つの墓室へとつながっていて、どちらも見事な巨石器時代の芸術で飾られているらしいが、残念ながらそこへ入ることはできなかった。部屋を出てすぐ左には、柵を通してずっと続く通路を見ることができる(上部右の写真とは違います)。外に出て、古墳の上に登ってみた。ちょっとした展望台状態で、360度のどかな風景を眺めることができる。次に行く予定のニューグレンジ古墳が遠くに見えた。ガイドさんに"nice viewですね"と言うと、"そして、とてもpeacefulよね”という応えが返ってきた。

●ニューグレンジ 
'04年6月29日(火)

一旦ビジターセンターのシャトルバス乗り場まで戻り、改めてニューグレンジ行きのバスに乗る。ちょっと時間があったので、だんながビジターセンターまで戻ってパニーニを買って来てくれた。お腹が空いていたので、とてもおいしかった。さて、この日のメインイベントであるニューグレンジ通路古墳は、5000年以上前に建設された西ヨーロッパで最も有名な先史時代の遺跡とのこと。外観はノウスとほぼ同じだが、入り口にある2つの巨石は特に美しい彫刻がなされている。

      
シャトルバスから 入り口にある巨石 内部通路(絵葉書)
ここは内部が修復されて拝観可能なので、ガイドさんについて入ってみた。通路は19メートルの長さがあり、両脇には石柱が立ち並び、その先は十字型に設計された墓室がある。墓室といっても人一人入れるかどうかの浅い窪みだ。天井は先端を少しづつずらして重ねた平べったい石でつくられ、それが5000年以上に渡り、内部への水の進入を防いできた。また、ここの最大の特徴は、冬至とその前後する数日間のみ、入り口上部にある小窓roof boxから一条の太陽光線が通路に入り、数分間かけてゆっくりと墓室へと差し込んでいく設計になっているところである。通路はまっすぐではなく少しづつ角度がついているため、光は鋭利な刃物のように尖っていき、その先端が上手い具合に奥の墓室へ届くようになっている。電気の光で擬似的に実演してくれるのだが、なんとも神秘的だ。その数日間以外は闇に閉ざされるのだから、決して偶然の産物ではなく高度な技術で設計されたものなのである。パンフレットには"新石器時代の農耕民にとっては、この現象が命の再生を意味するものであったのかもしれません"と書かれている。ガイドさんの説明もとても上手で、だんなはここの古墳がアイルランドで一番印象の残ったと言っていた。

ニューグレンジ全景
外に出た後、古墳を一周してみた。そして、予定の行程を無事に終えて満足しつつビジターセンターへ戻り、最終目的地ダブリンへと車を走らせたのであった。
 










































































































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