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プロローグ

●フィンランド
ヘルシンキ
スオメンリンナ島
ヘルシンキ1
タンペレ

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・・・エストニアへ・・・

エピローグ

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 ※この旅行は、ノルウェー → フィンランド → エストニア → フィンランドと周っています。最初から
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●ヘルシンキ1 '04年9月13日(月)

この日は、夕方タンペレへ移動するまでの間、一日ショッピング・デーにすると決めていた。通貨がユーロなのも嬉しい限り。観光は、前のページで写真を載せたヘルシンキ大聖堂とウスペンスキー寺院のみ。大聖堂はルーテル派の本山となる教会で、1852年に30年の歳月を費やして完成したもの。外観と同じく内部も、白を貴重とした清潔感漂う感じであった。ウスペンスキー寺院は、北欧最大のロシア正教の教会で、赤レンガ造りの外観が落ち着いた様相を呈している。内部には、キリストと12使徒が描かれたテンペラ画などがあり見応えがある。見学し終えて外に出ようとしたら、けっこう強い雨が降っていてびっくり。小雨になるまで雨宿りさせてもらった。青空が見えていたので傘を持ってこなかったのだが、迂闊だった。

まだ雨は止んでいなかったが、教会から近い雑貨屋「オクラ」まで走ることに。ガイドブックに寄ると、10人の若手デザイナーの作品を販売しているとのこと。ステキなものが多かったが、お値段もなかなかなので、見るだけで我慢した。このお店が入った建物には、他にもかわいい雑貨が並ぶ店がたくさん入っていて、私は一人で大喜び。ゆっくり見ていたかったが、だんながつまらなそうにしていたので、別の店へ行くことにした。ちなみに、ここでは可愛らしい絵を一枚購入。

若手デザイナーたちの作品を販売 白木を曲げて作る曲線が優美
次に木製のアクセサリーや置物などがある「アーリッカ」へ。かなり悩んだが、ここでは何も買わず、今度は「マリメッコ」へ。地下1階にはテキスタイル関連やガラス製品などが売られ、もうステキなものだらけ。私は思わず布地を買ってしまった。テーブルクロスにするんだもーん。

ここまでは、困ったような顔をして付き合っていただんなだが、インテリア関連の店に行き始めてからは楽しそうにしていた。「アルテック」はフィンランド建築の第一人者アルヴァル・アールトがデザインした家具を扱う高級店で、椅子好きの私はまたもハマッてしまった。だんな憧れのイームズの安楽椅子に座ったりして、とても良い気分。 しかし、次に向かったインテリアの店「ワンダ」はなかった。仕方ないので、近くにあるレストラン「ヴィア」でお昼をとることにした。

ここは、新進気鋭のシェフ、ユルキ・スクラ氏のレストランで、オフィス街にあるせいか、スーツ姿のお客が多い。私はランチセットを注文。確かアーティ・チョークのサラダとチキンのグリル・パプリカ添え、メロンジュースにブルーベリーのクヴァルク(ヨーグルトを濃縮したような乳製品)だったと思う。すんごい美味しかった。入り口には各種スープの素やオリーブオイルなども売られていて、そのパッケージがまたステキ。ああ。私って都会が好きかも(笑)。
オシャレな雰囲気はさすが 栄養をよく考えて作られてる感じ
さて、昼食後に向かったのは、やはり家具の店「アエロ」。入り口近くにあった安楽椅子がステキだったなあ・・・。次に駅方面へ向かって歩き、途中アカデミア書店に寄った後、「デザイン・フォーラム・フィンランド」へ。「ヴィア」で使われていたストライプのお皿が、ここで売られていた。隣のショップに「ワンダ」が移転してくるとの張り紙を、だんなが発見。そっか。潰れたんじゃなかったのね。

まだ時間があったので、郵便博物館にも行ってみることに。ここのミュージアムショップにはムーミンやその他美しい風景などの葉書や切手が売られている。タンペレにはムーミン博物館があるので、ここで買う必要はないかなと思いつつ、結局ムーミンの葉書セットと切手を買ってしまった。一度使われた切手をランダムに詰めた箱なども売られていて、もしかすると掘り出し物があるのかもしれない。だんなは昔、切手を集めていたらしく、会計してくれたオジサンにいろんな切手を見せてもらっていた。クリスマスの切手なんか、本当に綺麗だった。

というわけで、お買い物は終わり。最終の地、タンペレ行きの電車に乗り込み、到着するまでの間、車窓を楽しんだのであった。

●タンペレ '04年9月13日(月)〜14日(火)

青空が広がり、湖や森が見える車窓は、西日を受けて本当に綺麗だった。タンペレ駅に着いた私達は、まずは荷物を置きにホテルへ。その後、今まで午前は曇ることが多かったので、青空が広がっている今日のうちに湖を見に行こうということになり、結構な距離をてくてくと歩いた。フィンランドは森と湖の国なのだが、特にここタンペレを中心としたフィンランド中部は、湖水地帯となっている。湖の形もいろいろで、まるでこの辺の土地自体が浅瀬の岩場のようだ。タンペレには湖が2つあり、今向かっている方にはヴィラトとの間を結ぶ「詩人の道航路」、もう一方にはハメーンリンナと結ぶ湖沼巡りの観光船「シルヴァー・ライン」の発着点となっている。ま、今はオフシーズンで動いてないのだが。ちなみにガイドブックに寄ると、この2つの湖には18mもの水位差があり、この落差を利用した水力発電によって、タンペレは国内屈指の工業都市になっている、ということだ。

ここにもかわいい看板が 奥に「詩人の道航路」船着場が タンペレの湖にて
アスファルトの道から外れて小道を歩いていると、川のように細い湖の入り口沿岸に小屋が1つあり、そこから水着姿の女性が出てきて湖に入っていった。え。私、冬のジャケット着てるんですけど。もしかしてサウナだったのかな。びっくりした。 夕日を浴びた湖は冴え冴えとして潔い美しさであった。気持ちは良いが、やはりちょっと寂しい。岩場で読書している男性もいた。じっとしていると寒いだろうに。それとも、こんなのはまだまだ序の口なのかな。

街中まで戻り、意外と少ないレストランを探しまわり、やっとのことでイタリアンの店を見つけて入った。まるでビュッフェのようにサラダやコーヒーを無料で取って来ることができ、パスタもピザもなかなか美味しく、感じの良い店だった。日本のようにレジで会計を済ます。お昼のレストランでは、レジで払う人、テーブルで払う人とまちまちだった。もしかしてフィンランドって基本的に日本式の会計方式なのかな。

翌日は雨。強い風の中、ほとんど役に立たない傘を差して市立図書館へ向かう。ここにムーミン谷(ムーミン博物館)があるのだ。ここには原作者トーベ・ヤンソン直筆のスケッチや原画、話の中のシーンを再現したミニチュア、ムーミンハウスなどが展示されている。記憶が大分曖昧なムーミンのストーリーを改めて読んでみると、結構しっかりした話なのね。もう一度アニメを見たくなっちゃった。日本語対応がキチンとされているなと思ったら、数多くの日本企業が援助したらしい。なんか、微笑ましく思う。ミュージアムショップで葉書を買い足した後、博物館を後にしたのだった。
      
モダンな市立図書館 ムーミン谷入り口 アムリ労働者住宅博物館
次にアムリ労働者住宅博物館へ向かったのだが、残念ながら閉まっていた。来た道を戻り、屋内マーケットへ。軽く流した後、散策中に見つけた中華料理屋で昼ごはんを食べることにした。ランチビュッフェにしたのだが、意外とおいしい。日本と同じ形の春巻きがあって、だんなと交互におかわりをしにいった。ヨーロッパの春巻きって、ファストフードのアップルパイのようなでかいものが一つ、でーんと皿に乗せられてくることが多いのだ。久し振りに、馴染み深い形の春巻きを見たよ。
シルヴァーライン船着場 お世話になったライアン・エアー

最後に、シルヴァー・ラインの船着場がある湖を見に行き、旅を締めくくった。アムリ労働者住宅博物館から戻ってくる頃には、また青空が広がりだしていた。雲を取っ払ってくれただけあって、本当に風の強い日であった。

ライアン・エアー専用のバスが駅から出ているのだが、出発時間が遅かったので不安に思い、ホテルのフロントに何度も確認した。結局使ってみてわかったのだが、どうも他の航空会社を使う人が乗らないように、ギリギリの時間を設定しているみたい。

無事に離陸した飛行機の窓からは、たくさんの湖がひしめいているのが見えた。もしまた来ることがあったら、今度はゆっくりと湖沼クルーズをしたいものである。


●エピローグ

今回は、タリンでちょっとしたアクシデントもあったけど、結果的に丸くおさまって本当に良かった。予報はイマイチだったのに、意外と天気が良かったのもラッキーだったと思う。
今回の旅で気付いたことは、さすが北欧の国、女性の社会進出を実感したことである。フェリーやバスの運転手が女性だったことに驚きを感じているなんて、私って古いタイプの人間だったのね・・・。人口も少なく、税金が高いので夫婦共働かざるを得ないということもあるだろうが、その環境の充実を垣間見たような気がした。日本も、専業主婦に対する補助が廃止される傾向にあるし、いつか北欧のように共稼ぎが当たり前の時代になるのかもしれない。

ところで、タンペレ空港で必死に飛行機のチケットを探しているカップルがいたんだけど、見つかったのかなあ。それだけが、今更ながら気がかりである。

 














































































































































































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