●プロローグ
ドイツに住んでいる間に、ミシュラン3ツ星レストランで食事をしてみたい。これは、私達の悲願であった(笑)。ベルギーとフランス双方で、2ツ星レストランまでは行ったことがあるのだが、3ツ星はまだなかったのである。ただ、あまり高いのは困る。ベルギーは、おいしいフランス料理を本場よりは安く食べられるということで、そうなるともうここしかない。 |
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●ブリュッセル '04年8月28日(土)〜29日(日) 約4時間半かけて、無事ホテルに到着した。前回泊まったところなのだが、駐車場の周りが一通だらけで、しばし迷う。時間がなかったらイライラしたところだ。部屋でしばし休憩した後、いざ出発。地下鉄とトラムを乗り継ぎ、予約の5分前にはレストランに着いた。アールヌーボーの内装が、明るくてとてもステキ。何組かいるお客の中には日本人もいた。妙齢の女性二人組と、私らのような夫婦の二組。どちらも、海外在住といった風情だ。 |
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以上を、だんなが選んだシラーとカベルネソーヴィニオンをブレンドしたオーストラリア産の赤ワインと共に食した。文句無く、今まで食べた中で一番おいしかった。サービスという点では、前回行った2ツ星レストランほどではなかったけれど(あれはディナーだったし)、とっても満足。残念だったのは、料理の写真を撮れなかったことだ。聞いてみたけど、やんわり断られてしまった。仕方ない。食事の途中で若い女性が挨拶をしにきた。あの人がマダム?って感じ。 悲願達成の後、満腹のお腹をさすりながら、オルタの家へ向かった。ヴィクトール・オルタが設計したアール・ヌーボー様式の建物のうち、一般家屋4件が2000年に世界遺産に登録されたのだが、ここしか一般公開されていないのである。実は他の3軒の方が豪華らしいのだが、オルタの家も素晴らしかった。入った途端「うわー、ステキッ」と声を上げてしまったくらい。 |
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家具は他の家からのものも含まれているそうだが、オルタ自身が全ての家具のデザインもしたというのだから、その調和は見事である。階段の手すりがそのままソファの肘掛になっていたり、窓の周りとかライトとか、もうホントに私好み(笑)。あまり時間がなくて駆け足で見る羽目になったけど、行って良かった。但し、ここも残念ながら写真撮影禁止。ガイドブックを買い、散歩がてら近くのサンデル・ピエロン邸まで行って外観を眺めた後、一旦ホテルに戻ったのだった。 ベルギーでの心残り三つめは、前回は夜のグラン・プラスが見られなかったことである。8月の終わりとはいえ、まだ夜20:00過ぎまで外は明るい。ホテルで着替え、だんなはプールへ泳ぎに行き、私は部屋でのんびりした。そして、夕暮れが迫ってきた頃を見計らって、再び街中へ出かけたのだった。 |
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オルタ設計の中央駅を覗いたり、欧州最古のショッピング・アーケードであるギャラリー・サンテュベールをちょっと歩いてみたりしながら、グラン・プラスへ。結構な人ごみであった。広場の真ん中にマーケットでもやったのか、たくさんのテントが放置されたままなのが邪魔だった。全く。サッサと片付けなさいよ。それらがなるべく写らないよう、だんなは苦心して写真を撮っていた。ライトアップ自体は、とても綺麗。せっかくだから、触ると幸せになるという、セラクラエスの像も撫でさすってきた。ゆっくり広場を一周して退散。空手同好会かなんかだろうか、間違った漢字(もうちょっとで"式"になるような字)をプリントしたTシャツを着た若者達が何やら騒いでいた。 ホテルに戻り一服した後、だんながもう一度外に出て、スーパーで簡単なものを買って来てくれた。それが今晩の夕食だ。お昼との落差がすごいが(笑)、お腹が空かなかったので、これで十分だった。 |
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ホテルまで戻る途中、王宮近辺で中国の団体ツアー客に遭遇。うれしそうに観光バスから出てきていた。多分、写真を撮るために一時停車したのだろう。ツアーって楽だし、場合に寄っちゃ安上がりでメリットはたくさんあるけど、ここまで来て中を観ないのは、やっぱりもったいないなあと思う。まあ、団体で入ってこられるのも、混んで困るんだけどさ。 |
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●エピローグ 今回のメインはあくまでコム・シェ・ソワで、他は添え物のつもりだったんだけど、やっぱベルギーっていいわ。カンティヨン・グーズ博物館(ビール醸造所)とか、まだまだ行ってみたいところはたくさんある。平日しか開いてないオルヴァル修道院のビール工場へ、ビール瓶を返しに行かなきゃいけないしな。でもまあ、今回は今回で、とても満足の行く旅ができた。また一つ懸案事項をクリアした気分である。 |
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