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プロローグ

コム・シェ・ソワ
オルタの家
夜のグラン・プラス

王宮
王立古典・近代美術館

エピローグ

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●プロローグ

ドイツに住んでいる間に、ミシュラン3ツ星レストランで食事をしてみたい。これは、私達の悲願であった(笑)。ベルギーとフランス双方で、2ツ星レストランまでは行ったことがあるのだが、3ツ星はまだなかったのである。ただ、あまり高いのは困る。ベルギーは、おいしいフランス料理を本場よりは安く食べられるということで、そうなるともうここしかない。

"Comme Chez Soi"。

うーん、いい響きだ。
案の定、ランチにしか予約が取れなかったが、たぶんメニューは同じはず。待ちに待った土曜日。朝も早よから、いそいそとマイカーを走らせたのであった。


●ブリュッセル '04年8月28日(土)〜29日(日)

約4時間半かけて、無事ホテルに到着した。前回泊まったところなのだが、駐車場の周りが一通だらけで、しばし迷う。時間がなかったらイライラしたところだ。部屋でしばし休憩した後、いざ出発。地下鉄とトラムを乗り継ぎ、予約の5分前にはレストランに着いた。アールヌーボーの内装が、明るくてとてもステキ。何組かいるお客の中には日本人もいた。妙齢の女性二人組と、私らのような夫婦の二組。どちらも、海外在住といった風情だ。
さて、メニューの中から私達が選んだものは以下の通り。

(メニュー外のものが二品)
一口カナッペ3種×2
サーモンがメインの前菜
***
Cold clear soup with King crab and thyme, fine dumpling with sour cream and curry (minimum 2 persons)
(とろっとした冷たいコンソメの中にカニやすり身、生のブロッコリーを千切ったものなどが入っていた。ちょっとしょっぱめでサラダ感覚。見た目が楽しかった。)
Chaud-froid of steamed bass fillet with a tomato and basil dressing
(トマトとバジルをドレッシングであえたものの上に、蒸したスズキの切り身、更にその上に小さな貝の剥き身が2粒乗っかっていた。あっさりして旨し。)
Sage crumbed sole strips, minty citrus fruit cream and green peas coulis
(スパイシーな白身魚のフライがちょっとイカリングっぽかった。スペインの生ハムと共に食べるのだがとてもおいしかった。)
Pigeon wing with old port, Modena vinegar and its spiced cake with coriander
(嫌味がない程度にコクがあって、おいしかった。この後、骨や脂身など最初にはお皿に乗せられてこなかった部分をススメられたので、もちろん食す。更にコッテリして、赤ワインによく合った。)
The dessert menu
(私はチョコレートケーキをチョイス。丸いお団子風の形で周りがチョコレートでコーティングされていた。オレンジソースが爽やか。)

      
ミシュラン3つ星レストラン トイレもステキ(笑)
以上を、だんなが選んだシラーとカベルネソーヴィニオンをブレンドしたオーストラリア産の赤ワインと共に食した。文句無く、今まで食べた中で一番おいしかった。サービスという点では、前回行った2ツ星レストランほどではなかったけれど(あれはディナーだったし)、とっても満足。残念だったのは、料理の写真を撮れなかったことだ。聞いてみたけど、やんわり断られてしまった。仕方ない。食事の途中で若い女性が挨拶をしにきた。あの人がマダム?って感じ。

悲願達成の後、満腹のお腹をさすりながら、オルタの家へ向かった。ヴィクトール・オルタが設計したアール・ヌーボー様式の建物のうち、一般家屋4件が2000年に世界遺産に登録されたのだが、ここしか一般公開されていないのである。実は他の3軒の方が豪華らしいのだが、オルタの家も素晴らしかった。入った途端「うわー、ステキッ」と声を上げてしまったくらい。
      
世界遺産 オルタの家 外観はこんな感じ サンデル・ピエロン邸
家具は他の家からのものも含まれているそうだが、オルタ自身が全ての家具のデザインもしたというのだから、その調和は見事である。階段の手すりがそのままソファの肘掛になっていたり、窓の周りとかライトとか、もうホントに私好み(笑)。あまり時間がなくて駆け足で見る羽目になったけど、行って良かった。但し、ここも残念ながら写真撮影禁止。ガイドブックを買い、散歩がてら近くのサンデル・ピエロン邸まで行って外観を眺めた後、一旦ホテルに戻ったのだった。

ベルギーでの心残り三つめは、前回は夜のグラン・プラスが見られなかったことである。8月の終わりとはいえ、まだ夜20:00過ぎまで外は明るい。ホテルで着替え、だんなはプールへ泳ぎに行き、私は部屋でのんびりした。そして、夕暮れが迫ってきた頃を見計らって、再び街中へ出かけたのだった。
市庁舎
ブリュッセル中央駅 ギャラリー・サンテュベール

オルタ設計の中央駅を覗いたり、欧州最古のショッピング・アーケードであるギャラリー・サンテュベールをちょっと歩いてみたりしながら、グラン・プラスへ。結構な人ごみであった。広場の真ん中にマーケットでもやったのか、たくさんのテントが放置されたままなのが邪魔だった。全く。サッサと片付けなさいよ。それらがなるべく写らないよう、だんなは苦心して写真を撮っていた。ライトアップ自体は、とても綺麗。せっかくだから、触ると幸せになるという、セラクラエスの像も撫でさすってきた。ゆっくり広場を一周して退散。空手同好会かなんかだろうか、間違った漢字(もうちょっとで"式"になるような字)をプリントしたTシャツを着た若者達が何やら騒いでいた。 ホテルに戻り一服した後、だんながもう一度外に出て、スーパーで簡単なものを買って来てくれた。それが今晩の夕食だ。お昼との落差がすごいが(笑)、お腹が空かなかったので、これで十分だった。

翌日はゆっくり朝食をとり、10:00過ぎにチェックアウト。荷物を車に詰め込んだ後、そのまま王立古典美術館へ歩いていった。途中、王宮の前を通ったのだが、夏のみ内部を無料で一般公開しているので、入ってみることにした。これが、なかなか見応えがあって良かった。清潔で品のある内装に、豪華なシャンデリアが素晴らしい。今は国王はここに住んでおらず、国賓館として使用されているそうだ。

さて、お目当ての美術館は、まず近代美術の方から観ることにした。ここは、時間によってはお昼休みで一時間閉鎖されてしまう箇所があり、うまく時間配分を考えなくてはいけない。スケジュールは入り口のボードに表示されているので、要チェックだ。19世紀は、クールベやゴーギャン、マチスなどお馴染みの画家の絵が何点が展示されている。20世紀もミロやダリの絵などがあり、ダリの絵は象の足が途中からひょろ長くなってて面白かった。建物の中にあるカフェで簡単に昼食を済ませた後、今度は古典美術の方へ。特にブリューゲルの作品が充実している。この美術館の目玉の一つ「イカロスの墜落」などをじっくりと鑑賞。しかし、大分疲れてきたので、最後はルーベンスの作品を観た後、はしょって出てきてしまった。広いよ、ここ。でも、これで5ユーロは安いと思う。帰りにショップでボナールの絵葉書を購入。出口にあるミュージアム・カフェの入り口がなかなかステキだったので、思わず写真に撮ってしまった。

ミュージアム・カフェ 動物専用橋 木々でガードされている

ホテルまで戻る途中、王宮近辺で中国の団体ツアー客に遭遇。うれしそうに観光バスから出てきていた。多分、写真を撮るために一時停車したのだろう。ツアーって楽だし、場合に寄っちゃ安上がりでメリットはたくさんあるけど、ここまで来て中を観ないのは、やっぱりもったいないなあと思う。まあ、団体で入ってこられるのも、混んで困るんだけどさ。

さて、楽しかったベルギー旅行も終わり。車に乗って家路についた。途中、ルクセンブルクで、当然のごとくガソリン給油。相変わらず安〜い。ルクセンブルクでは、もう一つ気になっていたものがあった。それは、動物専用の歩道橋である。アウトバーンを渡らないようにつくられたものだと思うけど、本当に動物達はこれを使っているのかな。でも、なんか発想がカワイイので、これもカメラに収めた。ボーッとしていると、あっという間に通り過ぎてしまうので、手に汗握ったよ(苦笑)。そして3度目にして、ようやく満足の行く写りの写真が撮れたのだった。


●エピローグ

今回のメインはあくまでコム・シェ・ソワで、他は添え物のつもりだったんだけど、やっぱベルギーっていいわ。カンティヨン・グーズ博物館(ビール醸造所)とか、まだまだ行ってみたいところはたくさんある。平日しか開いてないオルヴァル修道院のビール工場へ、ビール瓶を返しに行かなきゃいけないしな。でもまあ、今回は今回で、とても満足の行く旅ができた。また一つ懸案事項をクリアした気分である。

 







































































































































































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